住宅ローン4000万円は無理なく返せる?年収別の返済額と「安全ライン」をFPが解説|一覧表付き

住宅ローン4000万円を検討している方にとって、
いま最も気になるのは
「金利が上がったら返済額はいくらになるのか」
「家計への負担はどれくらい増えるのか」
という点ではないでしょうか。
この記事では、
住宅ローン4000万円を検討している方が
借りられるかではなく
今の家計で返済し続けられるかを判断できるように、
- 4000万円を借りた場合の毎月の返済額と総返済額
- 無理なく返せる返済額(年収別の安全ライン)
- 金利上昇が家計に与える影響
を、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点で
分かりやすく整理しています。
また、返済額などに関しては、
返済額シミュレーションを一覧表にまとめて
お伝えします。
「借りられる額=返せる額」とは限りません。
教育費・老後資金・将来の働き方など、
ライフプラン全体を踏まえて考えることで、
初めて「安心して返し続けられる住宅ローン」が見えてきます。
これから住宅を購入される方、
すでに住宅ローンを返済中の方、
あなたの家計に合った適切な返済ラインを、
この記事で一緒に確認していきましょう。
- 1. 返済額と借入可能額、どのように考えるのが正解?
- 2. 4000万円の返済額・総返済額はいくら?
- 2.1. ▼ 金利別|毎月・年間の返済額一覧(4000万円・35年)
- 2.2. ▼ 金利別|総返済額(4000万円・35年)
- 3. 4000万円を借りられる?借入可能額の目安
- 3.1. ▼ 銀行が貸してくれる額|審査上限の目安
- 3.2. ▼ 家計が破綻しにくい額|安全ラインの目安
- 3.3. 🔍 補足:借入額は「年収の何倍」で考える?
- 3.4. 🔍 具体例:借りられる額と返せる額の違い
- 4. 変動金利と固定金利、どう考える?
- 4.1. 変動金利の特徴
- 4.2. 変動金利のメリット
- 4.3. 変動金利のデメリット
- 4.4. 固定金利の特徴
- 4.5. 🔍 金利タイプは「返せるかどうか」で考える
- 5. 年収別:4000万円の住宅ローンは無理なく返せる?
- 5.1. 年収450万円の場合
- 5.2. 年収550万円の場合
- 5.3. 年収650万円の場合
- 6. 金利上昇で返済額はどれくらい増える?
- 6.1. 金利が上がると返済額はいくら増える?(4000万円・35年)
- 7. 変動金利で返済リスクが高まりやすい理由
- 8. 固定金利に切り替える判断基準
- 9. 4000万円ローンで注意したい家庭の特徴
- 9.1. ■ 教育費負担が重くなりやすい家庭
- 9.2. ■ 収入が共働き前提になっている家庭
- 9.3. ■ 貯蓄余力がもともと低い家庭
返済額と借入可能額、どのように考えるのが正解?
住宅ローンでは、
借入可能額(銀行が貸せる上限)と、
返済額(家計が返し続けられる上限)は
別ものとして考えることが大切です。
住宅の購入を検討するときは、
あらかじめ毎月の返済額や
借入額を考えてから、
条件に合う物件を探すのが理想的です。
📌 通常、住宅ローンの審査は、
購入したい物件を ある程度決めてから行います。
物件が決まっていなくても仮審査は可能ですが、
この場合も借入希望額は伝える必要があります。
こうした点を踏まえると、
物件探しの前に購入金額や返済額を
決めておくことが望ましいでしょう。
気をつけたいのは、
気に入った物件が見つかることで、
当初の想定より高い金額で
審査を申し込んでしまうケースです。
審査を通過すると、
「借りられるなら大丈夫だろう」と
考えてしまいがちですが、
銀行側が提示するのは、
あくまでも借入可能額にすぎません。
一方、家計の視点では
「毎月いくらまでなら長期間、
無理なく返済を続けられるか」
という別の基準で考える必要があります。
この2つを混同すると、
収入や家族構成が変化した際に
返済計画が崩れやすくなるため注意が必要です。

住宅ローンの滞納を未然に防ぐためには、
借入可能額=返せる額ではないことを理解し、
家計として返し続けられる額を考えることが
大切です。
4000万円の返済額・総返済額はいくら?
4000万円の住宅ローンを
35年で返済する場合、
金利の違いによって
毎月の返済額は大きく変わります。
以下は、金利ごとの返済額の目安です。
返済額が月々いくらになるか、
年単位ではどれくらいの負担になるか
確認してみましょう。
▼ 金利別|毎月・年間の返済額一覧(4000万円・35年)
| 金利 | 毎月の返済額 | 年間の返済額 |
|---|---|---|
| 0.5% | 10.4万円 | 124.6万円 |
| 1.0% | 11.3万円 | 135.5万円 |
| 1.5% | 12.2万円 | 147.0万円 |
| 2.0% | 13.3万円 | 159.0万円 |
| 2.5% | 14.3万円 | 171.6万円 |
| 3.0% | 15.4万円 | 184.7万円 |
〈算出条件・注意(共通)〉
・元利均等返済/35年/頭金なし/ボーナス払いや繰り上げ返済なし
・上記額は目安、実際の返済額は金融機関や借入条件によって異なります。
・返済額・借入額は同一条件で試算し少数点第二位で四捨五入しています。
・そのため、月額×12か月と年額が一致しない場合があります。
金利が1%上がるごとに、
毎月の返済額はおよそ1万円前後ずつ増加します。
たとえば、金利0.5%から1.5%に上昇すると、
返済額は月に約1.9万円、年間では約22.4万円
増える計算になります。
また、住宅ローンは返済期間が長いため、
金利の違いは総返済額にも大きく影響します。
▼ 金利別|総返済額(4000万円・35年)
| 金利 | 総返済額 |
|---|---|
| 0.5% | 4361.0万円 |
| 1.0% | 4742.4万円 |
| 1.5% | 5143.9万円 |
| 2.0% | 5565.2万円 |
| 2.5% | 6005.9万円 |
| 3.0% | 6465.4万円 |
金利0.5%と2.0%では、
総返済額に約1200万円の差が生じます。
これは、教育費1人分に相当する額です。
📌 年収別・借入額・金利で比較したい方へ
こちらの記事でも
一覧表で分かりやすく整理しています。
住宅ローンの返済額・年収・借入額の考え方を詳しく見る
4000万円を借りられる?借入可能額の目安
返済額と総返済額を確認すると
「そもそも4000万円を借りられるのか?」
も気になるところです。
住宅ローンでは、金融機関の審査によって
借入可能額(銀行が貸せる上限)が決まります。
ただし、借入可能額は
家計が無理なく返せる額とは一致しません。
そこでまず、
・銀行が貸してくれる額(審査上限)
・家計が破綻しにくい額(安全ライン)
をそれぞれ整理していきます。
▼ 銀行が貸してくれる額|審査上限の目安
住宅ローン審査では、
返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)が
重要な判断基準になります。
多くの金融機関では、
返済負担率の上限を
額面年収の30〜35%程度に設定しています。
これはあくまで、
「銀行がこの金額までなら貸せる」
という審査上の基準です。
金融機関によって基準は異なりますが、
本記事では保守的に、
返済負担率30%で計算します。
📌 審査上限の目安表
| 年収 | 年間返済額上限 | 月返済額上限 | 借入可能額 (上限の目安) |
|---|---|---|---|
| 450万円 | 135.0万円 | 11.3万円 | 3985.3万円 |
| 550万円 | 165.0万円 | 13.8万円 | 4871.0万円 |
| 650万円 | 195.0万円 | 16.3万円 | 5756.6万円 |
銀行が示す借入可能額は、
あくまで審査基準を満たす上限値です。
▼ 家計が破綻しにくい額|安全ラインの目安
一方で、家計の安定を重視するなら、
銀行基準よりも低い水準で
考える必要があります。
本記事では、
一般的に無理なく返せる返済額の目安として
手取り年収(※)の20%~25%を
家計が破綻しにくい「安全ライン」として計算します。
この範囲であれば、
将来の支出にも対応しやすく、
家計が行き詰まりにくくなります。
※ 手取り年収は 額面年収×75% で算出
一般的に、手取り年収は
額面年収の75〜80%程度が目安とされます。
本記事では安全性を重視し、
やや保守的に75%を基準として計算します。
📌 家計が破綻しにくい返済額・借入額の目安
| 額面年収 | 手取り年収目安 | 返済月額 (20%の場合) | 返済月額 (25%の場合) | 安全な借入額目安 |
|---|---|---|---|---|
| 450万円 | 337.5万円 | 5.6万円 | 7.0万円 | 約1993~2491万円 |
| 550万円 | 412.5万円 | 6.9万円 | 8.6万円 | 約2435〜3044万円 |
| 650万円 | 487.5万円 | 8.1万円 | 10.2万円 | 約2878〜3598万円 |
⚠️ 借りられる額と返せる額の差(例:年収550万円)
銀行の審査上限
→ 借入可能額:約4870万円
家計の安全ライン
→ 現実的な借入額:約2435〜3044万円
やや保守的に見積もっているとはいえ、
借りられる額と返せる額には、
このように大きな差が生じます。
🔍 補足:借入額は「年収の何倍」で考える?
住宅ローンの目安として
「借入額は年収の5〜7倍程度」
と言われることがあります。
年収5〜7倍という目安は、
返済負担率を25%前後に抑えた場合の
家計目線の考え方です。
これに対して、
銀行の審査上限(30%前後)で計算すると、
借り入れ可能な額は、
年収の8倍前後になることもあります。
無理のない借入額は
個人や世帯の状況で異なることから、
「年収の何倍か」は、あくまで目安であり、
実際の返済額が家計にとって適切か
という視点が大切です。
🔍 具体例:借りられる額と返せる額の違い
例:年収550万円の場合
① 銀行の審査上限(額面年収30%)
- 年間返済上限:約165万円
- 月返済上限:約13.7万円
- 金利1.0%・35年で計算
→ 借入可能額:約4870万円
② 家計が破綻しにくい安全ライン(手取り20〜25%)
- 月返済目安:約6.9万〜8.6万円
- 金利1.0%・35年で計算
→ 現実的な借入額:約2435万〜3044万円
つまり
- 銀行が貸してくれる額:約4870万円
- 家計が安全に返せる額:約2435万〜3044万円
この約1800万〜2400万円の差こそが、
借りすぎを招きやすいポイントなのです。
💬 FPコメント
借入可能額は銀行が提示する上限値です。
まずは、自分が無理なく返せる額から、
借入の総額を計算し、
自分の「安全ライン」を確認しましょう。
住宅ローンの失敗リスクも下げられます。
変動金利と固定金利、どう考える?
住宅ローンを検討する際、
まず候補に挙がりやすいのが変動金利です。
当初の金利が低く、
返済額を抑えやすいことが、
その理由と言えるでしょう。
一方で、固定金利は
一定期間、または返済終了まで
金利と返済額が変わらない住宅ローンです。
将来の金利上昇に左右されず、
返済額の安定性を重視したい方に向いています。
どちらが正解というわけではなく、
家計・資産の状況や将来の見通しによって、
向き、不向きが分かれます。
変動金利の特徴
変動金利は、その名のとおり
将来、金利が変わる可能性がある住宅ローンです。
金利が低い水準で推移すれば
低い返済額を維持できる一方、
金利が上がれば返済額は増える可能性があります。
多くの金融機関では、
金利は半年ごとに見直されますが、
多くの場合、毎月の返済額は
すぐに大きく変わるわけではありません。
これは、ローンの返済額を
一定期間(例:5年ごと)で
まとめて見直す仕組みが採用されているためです。
※金融機関により、ルールの有無・詳細等は異なります。
変動金利のメリット
たとえば、2025年前後の変動金利は、
優遇条件が付くと0.4〜0.7%台でした。
固定金利の金利や返済額と比較すると、
魅力的に感じた方も多いことでしょう。
変動金利のデメリット
返済額にある程度の余裕があり、
金利の変動を冷静に受け止められる方や、
将来的に繰り上げ返済を予定している方にとっては、
変動金利は選択肢になりやすいと言えるでしょう。
金利上昇時の返済額への影響については、
後半の章で具体的な数字を使って確認していきます。
固定金利の特徴
一定期間、または返済終了まで
金利と返済額が変わらないのが固定金利タイプです。
代表的な選択肢として、
「固定10年」と「固定35年」があります。
固定金利は変動金利より
高めに設定されるのが一般的ですが、
その分、返済額が読める安心感があります。
返済額が一定である点がメリットでもあり、
デメリットでもあると言えるでしょう。
固定10年
最初の10年間だけ金利と
返済額が固定されるタイプです。
10年間は返済額が変わらないため、
当面の家計を安定させたい場合に選ばれます。
ただし、10年経過後は、
その時点の市場金利をもとに
新たな金利タイプを選び直す必要があります。
金利が上昇していれば返済額は増え、
低下していれば負担が軽くなる可能性もあります。
固定35年
フラット35などに代表される
「固定35年」は、返済終了まで
金利と返済額が変わらない住宅ローンです。
金利は高めになりますが、
将来にわたって返済額が確定するため、
長期の安心感を重視する方に向いています。
次のような家庭では、
返済額の安定性を優先した場合、
固定35年は有力な選択肢になります。
- 共働き前提で家計が変動しやすい
- 教育費の支出が見込まれている
- 金利の動向に振り回されたくない
- 将来収入が読みにくい職種
🔍 金利タイプは「返せるかどうか」で考える
変動金利と固定金利の違いは、
金利の高低だけでは判断できません。
重要なのは、
どの金利タイプを選んでも、
将来にわたって返済を続けられるかどうかです。
年収別:4000万円の住宅ローンは無理なく返せる?
ここからは 「借りられる」ではなく、
今の家計で返し続けられるかという 観点で
見ていきます。
年収450万円の場合
まずは、年収450万円の場合です。
手取り年収を額面の75%とすると、
手取り月収は28.1万円になります。
無理なく返せる返済額(安全ライン)は、
手取りの20〜25%が目安です。
・20%:月 5.6万円
・25%:月 7.0万円
▶ 安全レンジ= 約5.6万〜7万円
一方、4000万円を35年・金利1.0%で借りた場合、
月々の返済額の目安は
約11.3万円です。
これは、安全レンジ上限(約7.0万円)から
約4.3万円上回る水準になります。
📌 年収450万円×4000万円のシミュレーション表(35年)
| 金利 | 月返済額 | 安全レンジ上限との比較 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 10.4万円 | 約3.4万円オーバー | ✕ 不可 |
| 1.0% | 11.3万円 | 約4.3万円オーバー | ✕ 不可 |
| 1.5% | 12.2万円 | 約5.2万円オーバー | ✕ 不可 |
| 2.0% | 13.3万円 | 約6.3万円オーバー | ✕ 不可 |
▶ 結論:
年収450万円の場合、0.5%でも安全ラインを超える。
金利に関係なく4000万円ローンの返済は厳しい。
💭 FPコメント
この状況でローンを組むと、
教育費が増える時期(中学〜大学)や、
収入・働き方が変わるタイミングに、
貯蓄を取り崩す家計になりやすいです。
自身の老後プランにも関係することなので、
注意が必要です。
年収550万円の場合
次は年収550万円の場合です。
手取り年収を額面の75%とすると、
手取り月収は34.4万円です。
無理なく返せる返済額(安全ライン)は、
手取りの20〜25%が目安です。
・20%:月 6.9万円
・25%:月 8.6万円
つまり、安全レンジ=約6.9万〜8.6万円となります。
一方、4000万円を35年・金利1.0%で借りた場合、
月々の返済額の目安は
約11.3万円です。
これは、 安全レンジ上限(約8.6万円)から
約2.7万円上回っています。
📌 年収550万円 × 4000万円のシミュレーション表(35年)
| 金利 | 月返済額 | 安全レンジ上限との比較 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 10.4万円 | 約1.8万円オーバー | ✕ 厳しい |
| 1.0% | 11.3万円 | 約2.7万円オーバー | ✕ 不可 |
| 1.5% | 12.2万円 | 約3.7万円オーバー | ✕ 不可 |
| 2.0% | 13.3万円 | 約4.7万円オーバー | ✕ 不可 |
▶ 結論:
年収550万円の場合、
低金利(0.5〜1.0%)が続く前提なら、
やりくり次第で返済できる可能性はある。
安全ラインは超えていることに注意。
💬 FPコメント
年収550万円の場合、低金利のうちは
やりくりできる可能性はあるので、
金利がどこまで上がるかが重要なポイントです。
いずれにしても
安全ラインは上回っている状況なので、
4000万円の借入には慎重な判断が必要です。
年収650万円の場合
年収650万円の場合は、
3つのなかで、
最も返済余力がある年収帯です。
年収450万円、550万円と同様に
手取り年収を額面の75%とすると、
手取り月収は40.6万円です。
無理なく返せる返済額(安全ライン)は、
手取りの20〜25%が目安なので、
・20%:月 8.1万円
・25%:月 10.2万円
安全レンジは約8.1万〜10.2万円になります。
4000万円・金利0.5%は許容範囲ですが、
金利が1.0%になると、
安全レンジ上限(約10.2万円)を
約1.1万円オーバーしています。
ただし、他の年収帯と比べると差は小さめです。
📌 年収650万円 × 4000万円のシミュレーション(35年)
| 金利 | 月返済額 | 安全レンジ上限との比較 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 10.4万円 | 約0.2万円オーバー | ◯ 許容範囲 |
| 1.0% | 11.3万円 | 約1.1万円オーバー | △ 注意 |
| 1.5% | 12.2万円 | 約2.1万円オーバー | ✕ 厳しい |
| 2.0% | 13.3万円 | 約3.1万円オーバー | ✕ 不可 |
▶ 結論:
年収650万円の場合、低金利(0.5%)なら許容範囲
1.0%前半までは家計次第
2%を超えると返済の負担感が増す可能性
💬 FPコメント
年収650万円の場合、
4000万円の借入は選択肢として検討可能ですが、
油断はできません。
低金利のうちは、家計の状況によっては
やりくりできるかもしれませんが、
金利が大きく上昇した場合も想定しておかないと、
実際に返済額が増えたとき、
負担の大きさに悩む可能性もあります。
借入が現実味を帯びる分、
返済計画をしっかりと立てることが大切です。
※ここで示した安全ラインはあくまで目安であり、家族構成や支出状況によって判断は変わります。
金利上昇で返済額はどれくらい増える?
変動金利を選ぶ場合、
もっとも注意したいのが、
金利上昇による返済額の増加です。
金利が少し上がるだけでも、
家計の余裕が失われる場合もあります。
以下の一覧表は、
4000万円を35年で借りた場合、
金利が上昇したときの
返済額の増加幅をまとめたものです。
金利が上がると返済額はいくら増える?(4000万円・35年)
| 金利の変化 | 月の返済額(元の金利) | 月の返済額(変化後) | 月の増減額 | 年の増減額 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% → 1.0% | 10.4万円 | 11.3万円 | +0.9万円 | +10.9万円 |
| 0.5% → 1.5% | 10.4万円 | 12.2万円 | +1.9万円 | +22.4万円 |
| 0.5% → 2.0% | 10.4万円 | 13.3万円 | +2.9万円 | +34.4万円 |
| 0.5% → 2.5% | 10.4万円 | 14.3万円 | +3.9万円 | +47.0万円 |
| 0.5% → 3.0% | 10.4万円 | 15.4万円 | +5.0万円 | +60.1万円 |
例えば、金利が 0.5%から1.5%へ上昇すると、
返済額は 月に約1.9万円、
年間では約22.4万円 増える計算になります。
この増加幅は、
特に 年収450〜550万円の家庭 では
返済負担が一段と重くなる水準です。
現在は問題なく返せていても、
月1〜2万円の増加が続くことで、
貯蓄ペースが落ちたり、
支出の調整が必要になるケースも少なくありません。
金利上昇が
教育費や老後資金の準備時期と重なると
家計への影響は
想像以上に大きくなる可能性があります。
変動金利で返済リスクが高まりやすい理由
変動金利は、
当初の金利が低い一方で、
将来の金利上昇リスクを
直接受けやすい仕組みです。
ここでは、
変動金利の返済リスクが
高まりやすい理由を整理します。
① 金利環境の変化が返済額に反映されやすい
変動金利は、金利環境の変化が
比較的早く返済額に反映されます。
多くの住宅ローンでは、
半年〜1年ごとに金利の見直しが行われます。
そのため、金利が上昇局面に入ると、
返済額が増えるリスクを避けられません。
(※参考:5%ルールと125%ルールとは?)
② 返済初期は金利上昇の影響を受けやすい
借入初期は元金残高が大きく、
この時期に金利が上がると、
返済額への影響も大きくなります。
③上昇時の金利に明確な上限がない
変動金利には、
「ここまでしか上がらない」という
実質的な上限はありません。
急激な上昇は考えにくいものの、
状況次第では、
想定以上に返済額が増える可能性もあります。
📌 参考:5%ルールと125%ルールとは?
一部の金融機関では
返済額の急増を抑える仕組みとして
「5年ルール」「125%ルール」が採用されています。
ネット銀行等のなかには
これらのルールを採用していない場合があり、
金利が変わるたびに、返済額が再計算されます。
この場合、金利上昇の影響をより受けやすくなります。
固定金利に切り替える判断基準
変動金利のリスクを理解したうえで、
次に考えたいのが
「どのタイミングで固定金利を検討すべきか」
という判断です。
固定金利への切り替えは、
必ずしも「正解」ではなく、
家計状況に応じた選択肢のひとつです。
次のような状況に当てはまる場合、
固定金利への切り替えを検討する価値があります。
① 金利が上昇トレンドに入り始めたとき
金利が上昇すると、将来の返済額が
増加する可能性が高まります。
返済額を固定金利に切り替えると、
家計の見通しを立てやすくなります。
② 返済額が安全レンジの上限に近づいたとき
金利の上昇により、
返済額が安全レンジの上限付近に
近づいてきた場合は、
固定化を検討するタイミングです。
③ 教育費のピークが近づいたとき
教育費は
家計支出の中でも金額が大きい項目です。
とくに中学~大学の時期と金利上昇が重なると
キャッシュフローが悪化しやすくなります。
④ 収入が変動しやすい家庭
共働き前提の家計や、
収入が変動しやすい職種の場合、
返済額が一定の方が、
家計は安定しやすくなります。
⑤ 将来の資金計画を重視したいとき
返済額を固定化することで、
教育費や老後資金など
長期的な資金計画を立てやすくなる場合があります。
なお、返済余力に十分な余裕がある場合や、
将来的な繰り上げ返済を前提としている場合は、
必ずしも固定金利に切り替える必要はありません。
4000万円ローンで注意したい家庭の特徴
住宅ローンの返済が苦しくなる原因は、
返済比率の高さだけではありません。
家計の構造そのものに
リスクがあるケースも多く見られます。
特に注意したいのは、
次のような家庭です。
■ 教育費負担が重くなりやすい家庭
→ 子どもの人数や年齢構成、教育方針により、教育費が急増しやすい家庭。
■ 収入が共働き前提になっている家庭
→ 片方の収入減で返済比率が一気に上昇しやすい家庭。
■ 貯蓄余力がもともと低い家庭
→ 毎月の固定費が多く、支出増に対応しにくい家計構造の家庭。
4000万円の住宅ローンは、
返済額がそのものが大きくなりやすいため、
これらの条件が重なると
家計の余裕が失われやすくなります。
ローンの返済額だけに着目するのではなく、
長期的なライフプランを踏まえて
家計全体で慎重に考えることが大切です。
📌 自分の家計ではどうなる?
4000万円が無理なく返せるかどうかは、
住宅ローンだけでなく、
教育費や貯蓄状況を含めた家計全体で考える必要があります。
自分の条件に合った返済ラインを確認するには、
ライフプラン全般を
シミュレーションできるツールを活用するとよいでしょう。
無料ライフプランシミュレーションツール比較|簡易ツール・詳細ツールの違いと選び方【FP解説】
無料のライフプランシミュレーションツールには「簡易ツール」と「詳細ツール」があります。本記事ではそれぞれの特徴・向いている人・使い分けの考え方をFPが整理し、目的別の選び方を解説します。
FPのまとめ:4000万円は「年収×家計の構造」で安全ラインが変わる
4000万円の住宅ローンが
無理なく返せるかどうかは、
年収だけで決まるものではありません。
- 教育費がどの時期に、どれくらいかかるか
- 世帯収入が一時的に減る可能性はあるか
- 貯蓄にどれだけ余力があるか
- 金利上昇にどこまで耐えられるか
これらの条件も合わせると、
返済額の安全ラインは変動します。
同じ返済額でも、
「どの時期に、どれくらい支出が増えるか」によって、
家計の負担感はまったく異なります。
銀行の返済比率や借入可能額も
一つの目安にはなりますが、
35年にわたって
安定して返済を続けられるかを
判断することはできません。
だからこそ「ライフプラン」での判断が必要です。
借りられる額と返せる額はまったく別物です。
必ずご自身のライフプランと照らし合わせて
最終的に判断することが重要です。
💬 FPコメント
4000万円という金額は、
借りられるかどうかよりも、
35年間、無理なく返済を続けられる設計かどうかが
最も重要です。
金利・教育費・収入変動といった
長期の家計イベントを踏まえ、
安全ラインを確認しておくことで、
住宅購入後の不安は大きく減らせます。
家計全体を数字で「見える化」してから
借入額の判断をすることをおすすめします。
📌 FPオフィスCRASSULAのライフプランシミュレーションについて
FPオフィスCRASSULAでは、
家計の状況を整理する手段として
ライフプランシミュレーションを積極的に活用しています。
- 教育費ピークの家計収支
- 老後資金がいくら残るか
- 金利上昇に耐えられるか
- 貯蓄率は適正か
- 返済額を上げても問題ないか
こうした疑問をまとめて解消できるのが、
ライフプランシミュレーションサービス です。
迷っている段階でも大丈夫です。
家計の問題点を数字で確認したい方は、
ライフプランシミュレーションを
活用してみてください。



